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ライフスタイル 基礎知識

水の味の違いは何?おいしく飲むためにはどうしたらいい?

お水の味が違うのは何故?

お水の味の違いは○○の違いだった!

お水の味の違いには様々な要素が関係しあっています。

味の違いを生む主な要素は「硬度」「水素イオン濃度」「カルシウムとマグネシウム以外の残留物」「水温」です。

まずはそれぞれが与える味の違いへの影響を簡単にご説明します。

硬度による味の違い

「硬度」はカルシウムやマグネシウムの含有量を表しています。WHOの基準では 硬水の定義 [硬度] (mg/L) = Ca (mg/L) × 2.50 + Mg (mg/L) × 4.12で硬度が60 mg/L未満を軟水、60–120 mg/L未満を中硬水、120–180 mg/L未満を硬水、180 mg/L以上は高度な硬水のように分類しており、一般的にこの硬度が高いほどくせがありこわばった味に、硬度が低いほどまろやかで口当たりの良い味になります。

また硬度は地域によって区分わけが変わることもあります。日本では100mg/Lを基準に軟水と硬水をわけることも多いです。ちなみに日本の水は地形や地層の特徴から軟水が多くなっています。

水素イオン濃度による味の違い

「水素イオン濃度」とは、酸性やアルカリ性の強さを示す数値です。pH(ペーハー)で表します。

pHが7を中性と呼び、数字が7未満だと酸性と呼び酸味を感じる味になり、7を超過する場合アルカリ性と呼び苦味を感じる味になります。それぞれの数値が中性の7から離れるほど味を強く感じるようになります。

カルシウムとマグネシウム以外の残留物による違い

「カルシウムとマグネシウム以外の残留物」とは水中に溶けているもののうち、硬度を表すカルシウムとマグネシウム以外に溶けているもののことです。さまざまな残留物がありますが、代表として塩素や遊離炭酸による味の違いを解説したいと思います。

まず遊離炭酸ですが簡単に言うと水の中に含まれている炭酸ガスのことです。水にさわやかさを与えます。ただ含まれる量が多いと刺激の強さからまろやかさが失われてしまいます。

次に塩素です。プールの水を想像して頂ければ想像がつくと思いますが消毒に使われる関係で水道水には0.1㎜/L以上残留していなければならないことになっています。この塩素ですが直接味に影響を与えるというよりは間接的に味に影響を与えるものです。塩素の含まれる水からはカルキ臭と呼ばれる匂いがすることがあります。このカルキ臭が水をまずくさせてしまうので味に影響を与えてしまうというわけです。

他にも様々な残留物が水の味に影響を与えています。

温度による違い

「温度」による味の違いは主に温度によって生じる味覚の感じやすさによって表れます。

Barry G. GreenのHeat as a Factor in the Perception of Taste, Smell, and Oral Sensationによると20℃と36℃の間では甘味と苦味は温度が高いほど感じやすく塩味と酸味は温度によって味覚の感じ方にほとんど影響を受けないことがわかります。

水のミネラルには苦み成分も含まれますので温度の変化が味に変化を与えるわけです。

おいしい水はどんな水?

厚生省(現厚生労働省)のおいしい水研究会によるとおいしい水の要件として以下の表のように示されています。

項目 指標
蒸発残留物 30~200mg/L
硬度 10~100mg/L
遊離炭酸 3~30mg/L
過マンガン酸カリウム消費量 3mg/L以下
臭気度 3以下
残留塩素 0.4mg/L以下
水温 20℃以下

この要件は1985年に作成されたものですが、今でも水道局でおいしい水を語る際には使われている指標です。このことからわかる通りおいしい水というのは様々な要素をバランスよく持ったお水ともいえるでしょう。

おいしい水の基準には他にもO indexという式でおいしい水を示すものもありますが、そちらはおまけコーナーで語りたいと思います。

地域によって変わる水の味

都会の水はまずい?

都会の水はまずいと言われていた時期があったそうです。理由としては単純で今ほど、浄水技術が発展しておらず、源泉の水質の影響を大きく受けていたからです。

一方現在はというと、国が定めた水質基準51項目を満たしたうえで独自の基準を課している都道府県もあるほど、そういった基準をクリアできるほど優れた浄水が行われているので都会の水がまずいということはないでしょう。

実際に代表的な都会である東京の水道局はペットボトルに水を詰めて販売もしているほど、自信のあるお水を提供しています。

※ただし、世界的なプラスチック削減の流れを踏まえ現在は店舗販売のみ、2021年9月30日もしくは在庫なくなり次第終了とのことです。

もし仮に、水道から出るお水がまずいのであれば建物の貯水管や貯水槽の劣化の可能性があります。思い当たる要素があれば修理や交換を検討してみてください。

水道水の味は地域によって異なる

水道水は地域によって異なります。その大きな理由は水源の水質の違いです。当然ですが取水地によって含まれるミネラルの量やバランスは様々です。また、浄水施設では水をピュアウォーターに変えるような逆浸透膜によるろ過はしていません。当然ですがミネラルの添加をしているわけでもありません。残留異物や細菌などは徹底的に除去される一方でミネラルの含有量に関しては元の水質を大きく受け継ぐのです。

その関係で地域によって水質は大きく左右されます。東京大学教養学部附属教養教育高度化機構の堀まゆみらの研究グループがまとめた、水道水の硬度の分布図をみてもらえばわかるように東京、千葉、熊本は平均的な硬度が高め。一方、岩手を除いた東北はかなり硬度が低いことがわかります。同じ都道府県内であっても水源や処理過程によって水質は大きく変わるわけです。

また補足ですが、この分布をみていただけると世界的に見れば日本の水の硬度が比較的低いこともわかりますね。

お水をおいしく飲み方法

水をおいしく飲むための方法は多数ありますが今回は代表的なものを紹介します。

pHを変える

水のpHを調整する方法は比較的簡単にできるのでおすすめです。

方法は簡単、輪切りにしたレモンを水に浮かべるだけ。

そうすることで水が少し酸性に傾き、レモンを入れる前よりもすっきりとした飲み口になります。

炭酸を入れる

炭酸を加えることですっきりとした飲み口にし、よりおいしく水を飲む方法です。

これは専用の炭酸水精製機が必要でコストがかかる上に、ちょうどいい炭酸具合にするのが難しいのであまりおすすめはしません。

水をおいしく飲むというよりは炭酸水を飲みたい人におすすめです。

浄水器を使う

浄水器を用いて、家で改めて水を浄水して飲む方法です。

水道水には最近の除去を目的に塩素が混ざっています。その塩素が有機物と反応することで発癌性物質であるトリハロメタンが健康に害を及ぼすほどではないですが水の中に含まれてしまいます。

また貯水管や貯水槽のさびなどが水道水に混入し、水がさびくさいといったように感じることも、、、

そこで活躍するのが浄水器です。

浄水器には活性炭や中空糸膜、逆浸透膜など様々な種類があります。

さびやカビが気になるのであれば中空糸膜、においが気になるのであれば活性炭、残留物も何もかも取り除きたいのであれば逆浸透膜を用いた浄水器を用いることでおいしく水を飲むことができるでしょう。

本格的な浄水器を検討するのであればウォータースタンドがおすすめです。下にバナーを載せるのでぜひ覗いてみてください。

ウォータースタンド

煮沸する

残留塩素の匂いが気になるのであれば煮沸も有効です。

方法はお水をヤカンやナベに入れて10分から30分程度煮沸するだけ。

煮沸時間が短い場合、匂いは取れてもトリハロメタンは煮沸直後に量が増えやすいという関係上、健康にはよくなくなるのでしっかり煮沸してから飲みましょう。

温度を調整する

お水をボトルやコップに入れて冷やすだけのお手軽な方法です。

おすすめは20℃以下にすること、ただし低すぎると苦みが相対的に強くなってしまうので15℃くらいがおすすめです。

適度に氷を入れて調節してみましょう。

まとめ

お水には様々な要素で味の違いがあります。水のおいしさ要件というものもありますが、味覚には個人差があるためあくまで参考に過ぎないといえば過ぎません。ですが、このページで示した方法を参考に様々な方法やお水を試していくことで自分に最も合ったお水を探求することはできます。天然水だから、RO水だから、水道水だからとひとくくりにせず楽しみながらいろいろな水を試して味の違いを感じてみてください。

おまけ

水のおいしさを数値化する公式がある?

水のおいしさを式で表す指標があるのはご存じですか?あくまで水の好みは前述で示した通り様々ですが、個人的に面白いと感じたのでご紹介します。

水のおいしさを表す指標とはO indexという値です。

O index=(Ca+K+SiO2)/(Mg+SO4)で表されこの数値が2以上のお水をおいしいお水と示しています。

これは水をおいしくする要素としてカルシウム、カリウム、二酸化ケイ素が多く含まれるほど水はおいしくなり、マグネシウム、硫酸が少ないほどおいしいことを示しています。

そのうちカルシウムとマグネシウムは硬度を示す際の式に用いられます。

つまり同じ硬度であった場合おいしい水を選ぶにはカルシウムの含有量が多いものを選べば良いわけですね。

もし二つのお水で悩んでいる際はこの雑学を試してみてください。

  • この記事を書いた人

インズウェブ

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